公開日:2025年2月11日
諦めたら負け
刈和野の大綱引きでは、4ヶ月かけて編まれた巨大な綱が一本勝負で引き合われます。勝敗は米の豊作か値上げに関わり、どちらに転んでも農家にとっては吉となる仕組みです。
大綱は長さ200メートル、重さ20トン。それをつるつると滑る雪上で引き合います。
どこまで引けば勝ちなのか、明確な線はありません。ただ、引き続けるのみ。そして、極限まで力を振り絞った後、突然勝負が決まります。
帰り際に何で勝敗が決められているのかを尋ねたところ、返ってきたのは一言「諦めた方が負け」。最後まで気持ちを切らさなかった方が勝利を掴むのです。
この雪深い土地で生きる人々の気概が、その言葉にすべて詰まっているように思えました。