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千尺の雪

穏やかに晴れていた空が、一瞬にして表情を変え、猛吹雪が視界を白く閉ざしていく。冬の東北では、どれほど文明が発達しようとも、人は静かに自然の猛威を受け入れるしかない時がある。だからこそ、人々は祭りに身を投じ、己の内に秘めた力を解き放つことで、自然の厳しさ耐え、立ち向かう精神を培ってきたのだろう。 何度も繰り返されてきた厳冬の中での祭りは、ただの行事ではなく、自然とともに生き抜く覚悟の証なのかもしれない。

世世の栞

目まぐるしい時代の変化の中で、人々は新しい風を敏感に感じ取り、日々の暮らしに順応していく。その一方で、古くから息づいてきたものは意識の外へ押しやられ、いつの間にか遠い存在になってしまうこともある。 しかし、人々が紡いできた営みや大地にしみ込んだ記憶は消えることなく、姿を変えながらも生き続け、時代を超えて私たちを迎えてくれる。 そして移ろう時代の中で、変わらぬものに触れるひとときが未来への希望となり私たちを導いてくれる。

mismith